難民はいつかは母国に帰るの?
母国へ帰ることだけが難民の目指す先ではありません。難民を生み出す原因である紛争や人権侵害の根を断つことは簡単ではなく、平和と秩序が回復され、国として必要な機能やインフラが整備されるようになるまでには、相当な時間を要します。
長い時間を経て帰国を実現させる人もいますが、一方で、数十年の歳月を経て、母国で新たに生活を立ち上げることは難しく、帰国を断念する人もいます。逃れた先で家族ができたり、新しいチャンスを得たことから、日本を第二の故郷とし生きていくことを選択する人も稀ではなく、なかには難民として認定された後、帰化して日本の国籍を得る人もいます。また、家族が逃れた先で「難民」として生まれた人など、そもそも帰るべき「故郷」を持たない人もいます。